2025年11月6日　更新

☔浮いた外壁の裏に潜む“雨漏りの落とし穴”

「1階の部屋の窓から水が入ってきたんです…」
そんな住人さんの声から始まった今回の工事。

現場は安曇野市豊科の賃貸アパート。
オーナー様は以前、別棟で同じような雨漏りを経験しており、「また同じ箇所では…」とご相談をいただきました。
調査の結果、やはり2階サッシ下の外壁がブカブカと浮き、内部には防水紙がまったく施工されていない状態でした。
外壁の塗装やシーリングでは防げない、“構造の問題”が原因です。

今回は、見えない壁の中で起こっていた劣化の実態と修繕の流れをわかりやすくお伝えします。

工事のきっかけ 🧰住人の通報から判明した再発雨漏り

安曇野市豊科のアパートオーナー様より「1階の住人から雨漏りの報告があった」とご連絡をいただきました。
前回修繕した別棟と全く同じ構造だったため、「もしや」と感じ、現地を確認。
外壁を押すと明らかに柔らかく、内部の木下地が水を含んで腐食していました。
原因を突き止めるべく、部分的に外壁を撤去して内部を調査しました。

🪟施工前：サッシ下の外壁が浮いてブカブカに

外観上は問題ないように見えますが、指で押すと外壁が“スポンジのように沈む”状態。
これは内部の木下地が腐り、固定力が失われているサインです。
見た目の小さな膨らみも、実際には壁内結露や浸水が進行している可能性があります。
放置すると外壁パネル全体が剥がれ落ちる危険もあるため、早期対応が必須です。

🧹ベランダ床をしっかり養生して安全確保

作業に入る前に、ベランダ全体を養生シートで覆い、粉塵・破片の落下を防ぎます。
特にアパートでは他の入居者様の生活スペースに配慮が必要。
施工中の清潔さと安全性が、信頼を左右する大切なポイントです。
また、作業道具や撤去材が床を傷つけないように細心の注意を払いました。

🔧外壁を撤去すると下地はボロボロに

浮いていた外壁を剥がすと、中の合板は水分を吸って黒ずみ、指で押すと崩れてしまうほど劣化。
サッシ下部の木枠も腐食しており、カビのにおいも感じられました。
水はわずかな隙間から侵入します。
外壁塗装だけでは防げない“構造的な雨漏り”の典型例です。
この段階で、劣化部分をすべて撤去し乾燥工程に入ります。

🧱防水紙が施工されていなかった下地

外壁を剥がすと、防水紙が一切貼られていませんでした。
これでは外壁材が劣化すると、建物の骨格まで雨が直撃します。
防水紙（透湿防水シート）は、建物の「雨合羽」のような存在。
外壁塗装やサイディングはあくまで“見た目と一次防御”であり、雨を完全に止めるのはこの層です。
今回は、透湿防水シートを新たに貼り、通気層を確保する施工を行いました。

🪚下地補強＋アルポリ板で耐久防水仕上げ

腐った下地を新しい木材で補強し、その上に構造用合板→防水紙→アルポリ板を順に施工。
アルポリ板は、アルミと樹脂を挟み込んだ3層構造で、軽くて強く、水を通さない優秀な外装材です。
さらに既存の外壁厚と合わせて仕上げることで、美観と防水性の両立ができました。
耐久性・コストバランスの良さから、雨漏り修繕では特におすすめの素材です。

🧴シーリング防水で仕上げ＆完工

アルポリ板の継ぎ目やサッシ周りを高耐久シーリング材でしっかり防水処理。
マスキングテープで直線を整え、乾燥後にテープを剥がすと美しいラインが出ます。
この仕上げこそ職人技。**見えない防水の“最終バリア”**として非常に重要な工程です。
完了後、床や周辺を清掃し、施工前よりも清潔な状態でお引き渡ししました。

まとめ ✨雨漏り修繕は“塗る”より“構造を直す”

今回のように、防水紙がない外壁構造は再発リスクが高く、表面的な補修では解決しません。
外壁を一度剥がして内部構造を確認し、防水層を再構築することこそ本当の修繕です。
街の屋根やさん松本諏訪平店では、建物の構造を熟知した職人が診断から施工まで対応します。
「同じ場所から何度も漏れる」「原因がわからない」方は、まず無料点検をご利用ください。

お客様の声🗣／担当者よりひとこと👷‍♀️

🗣お客様の声
「見た目はきれいなのに雨漏りする理由がわかりませんでしたが、内部を見せてもらって納得しました。
防水紙の重要性を初めて知りました。これで安心して入居者さんにも説明できます。」

👷‍♀️担当者より
「今回のように、アパートや集合住宅では同じ構造が繰り返されるため、1棟の不具合が他棟にも起こりがちです。
原因を“根っこ”から直すことが大切。
アルポリ板は軽量で施工性も高く、既存サイディングとの取り合いもスムーズです。
今後もオーナー様・入居者様双方が安心できる管理サポートを続けてまいります。」

地域コラム🌾安曇野の湿気と建物劣化の関係

安曇野市は朝夕の冷え込みが強く、霧が多い地域。
湿気を含んだ空気が外壁の隙間に入り込み、乾燥しきらずに結露を繰り返すことで内部が傷みます。
特にアパートのように通気層が狭い建物では、防水紙と通気構造の精度が寿命を大きく左右します。
アルミ複合板や通気胴縁を併用した補修は、この地域にとても適した選択です。

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