2025.11.01
2025年11月1日 更新 こんにちは、街の屋根やさん松本諏訪平店です。今回は塩尻市片丘で、屋根と外壁の塗り替えをご検討中のお客様からご相談をいただきました。しばらくお住まいを離れていた間に、屋根や外壁がどんな状態になっているのか心配だったそうです。私たちは、ただ「塗る」だけでな…

「外壁が白っぽくなってきて、そろそろ塗装時期なのか気になって…」
と、インターネットで弊社を見つけてくださったことが今回のご相談の始まりでした。
現地調査では、
外壁表面にチョーキング(粉拭き)
縦目地・窓周りのシーリングに亀裂と剥離
が確認でき、外壁とシーリングの両方にメンテナンスが必要なタイミングでした。
特に諏訪地域は冬の冷え込みが厳しいため、一度水が入り込むと凍結→膨張で外壁内部が割れる「凍害(爆裂)」につながるリスクがあります。
今回は、外壁塗装とシーリング打ち替えを同時に行い、外壁の美観と防水性をしっかり回復する工事となりました。





外壁塗装は「見た目をきれいにする工事」と思われがちですが、
実は 建物を雨と紫外線から守るための“防水工事” です。
そして、もう1つ忘れてはならない大切な存在が、
外壁の継ぎ目を守っている シーリング(ゴム状の防水材)。
このシーリングが劣化して硬くなったり、ひび割れたりすると、
外壁内部に水が入り、外壁そのものを傷める原因 となります。
今回は、
外壁塗装
シーリングの打ち替え
を同時に施工し、さらに外壁の状態に合わせて シーリングを「後打ち」する工法 を採用しました。
なぜ「後打ち」が最適だったのか。
この記事で、工事の流れとともに 専門的だけどわかりやすく説明します。
外壁塗装やシーリング打ち替えなどの外装工事では、まずは足場を組むところから始まります。
足場は「高い場所で作業するために必要なもの」というだけでなく、
職人が体を安定させて作業できる
道具を正しく扱え、塗りムラを防げる
高所でも安全に丁寧な施工ができる
という 品質と安全性に直結する工程 です。
また、足場を組んだ後には メッシュシート を張り、
塗料の飛散から周囲の建物やお車・お庭などを守ります。
「形に残らない工事」ではありますが、
ここにコストと手間をかけられるかどうかが、仕上がりの美しさにそのまま現れます。
外壁についた汚れ・砂埃・カビ・排気ガス、そしてチョーキング(粉状劣化)を
プロ用のガソリンエンジン式高圧洗浄機 でしっかりと洗い流します。
家庭用洗浄機と違い、プロ用は水圧が強く、
外壁表面の 「こびりついた劣化塗膜」 まで除去できるのが大きな違いです。
洗浄が不十分だと、
塗料が密着しない(すぐに剥がれる)
ムラの原因になる
仕上がりの寿命が短くなる
ため、 塗装前の洗浄は“家の掃除”ではなく、“塗膜を長持ちさせる処理” なのです。
窓・玄関ドア・給湯器・配管・手すりなど、
塗装しない部分を ビニールとテープで丁寧に保護 します。
この養生は、ただ覆うだけではなく、
境界線を真っすぐ・きれいに仕上げるための繊細な作業。
養生が雑だと、
仕上がりのラインが曲がる
塗料がにじむ
仕上がりの印象が落ちる
ため、実は 「職人の丁寧さが一番見える工程」 と言われます。
また、窓が完全に開かなくなると暑さや生活に支障が出るため、
可能な範囲で「換気ができる養生」も細かく調整 しています。
劣化したシーリングは、カッター等を使って 目地の奥までしっかり取り除きます。
ここを中途半端に残すと、新しいシーリングの密着が弱くなり寿命が縮まるため、
撤去は“仕上げ”よりも大事な工程 と言っても過言ではありません。
今回は 塗装 → シーリングの順(後打ち工法) のため、
ここでは「撤去のみ」を行い、目地を素の状態へ戻しました。
後打ちの準備をすることで、
目地の動きに合わせて塗膜割れを防ぐ ことができるのが今回の重要なポイントです。
下塗りは「色をつける工程」ではなく、
外壁と上塗り塗料をしっかり密着させるための接着下地 をつくる工程です。
今回の外壁は窯業系サイディングのため、
年数が経つと表面が「乾いたスポンジ」のように塗料を吸い込みやすくなります。
この状態でいきなり中塗り・上塗りを行うと、
ムラが出る
早期退色
塗料の剥がれ
といった 寿命の短い塗装仕上がりになってしまいます。
下塗り材は、外壁表面に薄く均一な「塗膜の受け皿」を作り、
その上に重ねる塗膜(中塗り・上塗り)が 長持ちする土台 になります。
“塗装は下塗りで決まる” と言われるのは、
この工程の良し悪しが 耐久性と美観に直結するからです。
中塗りは 仕上がりの色と膜厚をつくる大切なステップ です。
今回使用した塗料は 関西ペイント RSシルバーグロスSi(ラジカル制御型シリコン樹脂塗料)。
通常のシリコン塗料は、紫外線により塗膜内で「ラジカル」と呼ばれる劣化因子が発生し、
その結果チョーキング(触ると白く粉がつく症状)が進みます。
しかし、RSシルバーグロスSiは
ラジカル発生を抑える成分が配合されているため、
色もちが良い
ツヤが長続きする
紫外線に強い
という ワンランク上の耐久性 を持っています。
中塗りの段階でしっかりと塗膜の厚みを確保することで、
上塗りが ムラなく美しく仕上がる土台 となります。
上塗りは、外壁塗装の仕上がりを左右する 最も目に見える工程 です。
中塗りと同じ塗料を重ねることで、塗膜が均一になり、
ツヤ・防水力・紫外線に対する耐久性 が最大限に発揮されます。
上塗りが終わると、外壁は光沢を帯びた整った表情に変わり、
建物全体が引き締まって見えます。
また、三層塗り(下塗り+中塗り+上塗り)にすることで、
塗膜の厚みが確保される=寿命が伸びる ため、
「きれいな状態を長く保てる」ことが大きなメリットです。
見た目を整えるだけでなく、
“家を守る強さ” を完成させる工程が上塗りです。
今回の外壁は 目地幅が広いタイプでした。
シーリングはゴム状のため、目地幅が広い=伸び縮みの幅が大きい、ということになります。
もし 先打ち(シーリングの上から塗装) にすると、
シーリングの動きに塗膜が追従できず、
シーリングが動く
↓
塗膜が割れる
↓
そこから水が入る
という劣化リスクが高まります。
そこで今回は、
外壁塗装 → その後にシーリング打ち替え=「後打ち工法」 を採用しました。
後打ちのメリット:
シーリングの動きが塗膜に影響しない
仕上がりが自然で美しい
防水性能を長く維持しやすい
外壁材・目地幅・地域(諏訪の寒冷凍害環境)に合わせた 合理的で理にかなった施工判断 です。
外壁は、下塗り・中塗り・上塗りの三層仕上げにより、ツヤが戻り明るい印象になりました。
また、シーリングは外壁の色に合わせて調色しているため、目地部分が不自然に浮くことなく、建物全体が引き締まって見えます。
今回採用した「後打ち工法」によって、シーリング部分は外壁の動きに柔軟に追従でき、
季節による膨張収縮が起こっても塗膜が割れにくい状態が実現できました。
さらに、使用した ラジカル制御型シリコン塗料は耐候性が高く、色あせがゆっくり なので、
「できるだけ次のメンテナンスまで長持ちさせたい」というお客様のご希望にも合った仕上がりとなっています。
今回の工事は、
“見た目がきれいになる” だけではなく、
外壁とシーリング双方の防水性能を回復し、
これからの生活を安心して過ごしていただくための 家全体の耐久性改善工事 です。
外壁は「直した日の見た目」ではなく、“10年後の状態” が大切。
その未来のための施工をさせていただきました。
外壁は“塗装”
継ぎ目は“シーリング”
この2つは別物ですが、家を守る役割はどちらも同じくらい重要です。
特に諏訪地方のように、
冬の冷え込みが強い
凍害リスクが高い
地域では、
シーリング劣化を放置しないことが、外壁寿命を延ばす鍵になります。
「まだ大丈夫かな…」
と迷ったタイミングが、ちょうど点検の頃合いです。
外壁材ごとに最適な塗装時期や、シーリングの施工方法は異なります。
今回の後打ちは、目地の動きを見極めた “理由のある工法” です。
ご不安なことは、いつでもお気軽にご相談ください。
諏訪は標高が高く、冬の冷え込みが厳しい地域です。
外壁に入った水が凍り、外壁を内側から割る 凍害 が出やすいのが特徴。
だからこそ、
目地(シーリング)の状態
雨水の入りやすいサッシまわり
塗膜の劣化度
を早めに点検し、適切な時期にメンテナンスすることがとても大切です。
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