2025.12.06
2025年12月6日 更新 ◆まずは外壁と屋根を丁寧にチェック 諏訪郡富士見町で「外壁が粉っぽい」「屋根のサビが気になる」とお問い合わせをいただき、現地調査に伺いました。実際に拝見すると、外壁のチョーキングやクラック、金属部分の剥離など“雨漏りが隠れやすいポイント&r…
岡谷市は冬の北風が強く、太陽光パネルが載った屋根は雪の動きや日射の影響を強く受けます。
今回のご相談も「雪止めを追加したい」「築20年なのでそろそろ塗装を」という内容だったのですが、実際に屋根に上がってみると、思いがけない“サビの正体”が潜んでいました。
それは、すでに使われていない旧型の太陽熱給湯器の架台。
スチール製の架台が長年サビていたことで、屋根材へ「もらいサビ」を起こしていたのです。
太陽光パネル付きの屋根は、塗装前の点検でわかる“隠れた問題”がとても多い場所。
この記事では、現場スタッフの視点で、調査時に見えた危険サインと適切な対処方法を、丁寧に解説していきます。
ご相談くださったのは、岡谷市長地にお住まいのご家族。
「冬になると南面の太陽光パネルから雪が一気に落ちて危ないので雪止めを付けたい」
「そろそろ屋根の塗装も必要だと思って…」
そんな理由でご連絡をいただきました。
屋根はガルバリウム鋼板の一文字葺き。
築20年で一度も塗装していないとのことで、まずは状態確認に向かいました。
実は、太陽光パネルが載った屋根は、通常の屋根と違って“見えづらい部分の劣化”が潜みがち。
パネル下の湿気、固定金具のサビ、落雪によるダメージなど、複数の要因が同時に進行するため、専門的な点検が欠かせません。
今回も例外ではなく、屋根に上がった瞬間、私たちでも「ん?」と違和感を覚えるほどの劣化サインがいくつも見つかりました。
屋根に立った瞬間にまず感じたのは、“想像以上の褪色”でした。
本来は黒に近いグレーだったと思われますが、日射と経年でほぼ白に近い状態。
これはガルバ鋼板特有の「塗膜劣化」が進んでいるサインです。
屋根の形状は入り組んだ変形寄棟。
谷や棟、隅棟が多いため、塗装作業では塗り残しが起きやすい構造です。
複雑な形は雨水の流れも複雑になり、劣化ポイントが集中しやすい特徴があります。
また、褪色がここまで進むと、素材が紫外線に直接さらされ続け、サビの前段階「白化(チョーキング)」が発生します。
触ると手に白い粉が付く状態で、ここからは塗装による保護が急務です。
南面と西面には、ほぼ全面を覆うほどの太陽光パネル。
これは良い面もありますが、塗装工事においては大きな障害になります。
理由は3つ。
1.パネル下は「塗装不可」または「機材撤去が必要」
2.湿気がこもり、サビが進行しやすい
3.鳥害・落雪・もらいサビなど“隠れた劣化”が発生しやすい
太陽光パネルを載せたまま塗装すると、どうしても死角ができてしまい、塗り残しが発生します。
特に今回のような総二階で大面積パネルが載っている場合、撤去作業だけでも足場・クレーンの手配が必要となり、大きな工事になります。
それでも「放置していいわけではない」ため、施工店としては判断の難しいケースです。
パネルに気を取られていたところ、さらに深刻な問題が見つかりました。
それが 「昔使っていた太陽熱給湯器の残置物」 です。
すでに稼働していない給湯器は撤去されていましたが、架台だけがスチールのまま残されていた状態。
スチールはガルバ鋼板よりもサビが進みやすく、長年雨に当たっていたことで真っ赤に腐食していました。
そのサビが雨水と一緒に流れ落ち、屋根の表面に“赤い跡”となって固着。
これが「もらいサビ」です。
ガルバリウム鋼板はサビに強い素材ですが、
外部から鉄サビを受け続けると、どんな素材でも負けます。
もらいサビは放置すると穴あきの原因にもなるため、早期対応が必須です。
最も懸念されたのは、太陽光パネル下。
「ここはきっとサビが回っています」とお伝えしたところ、お客様も大きくうなずかれました。
パネルを取り外してみないとはっきりしませんが、
・日が当たらない
・湿気がこもりやすい
・落雪や霜が当たり続ける
これらの理由で、パネル下は“サビ温床”になりやすいのです。
今回は南面のみパネルを取り外し、サビ止めをしっかり入れてから塗装を行う計画に。
本体を外すため、クレーン or 足場のどちらかが必要となり、通常の屋根塗装とは違う工程が求められます。
太陽光パネル付きの屋根は、通常の屋根よりも劣化要因が複雑です。
・パネル下の湿気
・旧架台のサビ残り
・落雪による傷
・塗装不可部分の判断
・撤去の有無
これらを正しく見極めるには、専門的な点検が欠かせません。
今回のように“もらいサビ”が見つかるケースは少なくなく、放置すると屋根寿命を大きく縮めることもあります。
20年以上経っている屋根は、ぜひ一度プロの目で点検し、必要な部分に必要な処置を行いましょう。
「太陽光パネルが乗っているから塗装は簡単にはできないだろうと思っていましたが、まさか昔の給湯器のサビが原因で屋根まで痛んでいるとは知りませんでした。
パネル撤去が必要な理由も写真を見ながら丁寧に説明してもらえて納得できました。
この機会にしっかり直しておいて良かったと安心しています。」
岡谷市は冬場の北風が強く、太陽光パネルの下や固定金具周辺に湿気がたまりやすい地域です。
今回見つかった“もらいサビ”は、お客様が気づけない典型的なケース。
屋根は地上から見える部分だけでは判断できないため、定期的な点検の大切さを改めて感じました。
安全に長持ちさせるためにも、早めのケアをおすすめいたします。
岡谷市は諏訪湖に隣接し、湿度が高く霧が発生しやすい地域。
さらに冬の北風は非常に強く、屋根表面の乾燥と湿潤が短い周期で繰り返され、金属屋根には過酷な環境です。
太陽光パネルが載っている家は、
・パネル下だけ乾きにくい
・落雪がパネルに沿って集中する
・影になる部分が常に冷たい
といった理由で、サビや塗膜劣化が進みやすくなります。
また、岡谷市は標高差が大きく、同じ市内でも劣化スピードが違う珍しい地域でもあります。
こうした「地元特有の気候」を踏まえて工事提案できるのが、地元密着店の強みです。
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