高圧洗浄をして屋根面、外壁面をきれいにした後、屋根塗装から始めます。

屋根塗装は一般的には下塗り、中塗り、上塗りの３回塗りで仕上げます。まずは下塗りの作業です。左は屋根材の重なり部分や雪止め周辺、棟板金周辺など細かくてローラーが入らないところを刷毛で塗るダメ込みという作業の様子です。塗装にとってダメとは塗り残しがあること、ローラーだけだと細かいところに塗り残しが出てしまうため、事前に刷毛で細かいところを塗っていきます。そのあとで広い面をローラーで仕上げます。下塗り材は塗装面ととりょの密着を高める接着剤の役割があります。使用した塗料は関西ペイントのアレスクールプライマー、遮熱機能がある塗料です。

次に中塗りの様子です。中塗り、上塗りは同じ塗料を使います。使用した塗料は同じく関西ペイントのアレスダイナミックルーフです。塗膜に紫外線が当たると塗膜の中でラジカルという塗膜劣化因子が発生します。塗膜の分子結合を壊してしまう成分です。チョーキングという粉上の汚れが浮いてくる現象が発生し、塗膜が劣化していきます。ダイナミックルーフはこのラジカルの発生を抑制する塗料です。一般的なシリコン樹脂塗料よりも長持ちします。

屋根塗装最後の工程の上塗りです。中塗り、上塗りでもダメ込みを行い塗り残しを消します。ダイナミックルーフも遮熱効果がある塗料です。下塗り、中塗り、上塗りと遮熱効果がある塗料を三層塗ったのでお施主様のお悩みの一つだった２階の夏の暑さが少し軽減されると思います。体感温度で２度～３度下がるといわれています。

続いて外壁塗装です。高圧洗浄をした後に窓、玄関、給湯器、計器類など塗装しないところ、塗料がついてはいけないところをビニールにガムテープが付いたマスカーという材料で覆います。養生（ようじょう）という作業です。塗装面と非塗装面の境になるのでマスカーをまっすぐに貼る技術のいる作業です。養生が曲がっていたり不陸があると塗装したラインが曲がってしまったり、はみだしがあって見た目がよくありません。養生がきれいにできれば外壁塗装の５０％以上の作業が終わったようなものです。

外壁を塗装する前に軒天を塗装します。軒天（のきてん）は上裏とも言って屋根の出、軒の裏側の天井のことを言います。軒天は塗装面が下を向いているので塗料が垂れてきてしまいます。垂れた塗料が外壁についてもいいように外壁を塗る前に軒天を塗装します。軒天には浸透性のある軒天専用の塗料を使用します。使った塗料は関西ペイントのワイドグリップです。

軒天と同じ理由で雨樋と鼻隠しを先に塗装します。鼻隠しとは雨樋がついている屋根の側面のことで、屋根の構造体で屋根の頂上の棟（むね）から軒先に向かって架ける垂木（たるき）という木材の先端がこの鼻隠しの位置に来ます。垂木の先端、鼻っ先を隠すための板ということで鼻隠しと言います。雨樋、鼻隠しとも高いところにあるので足場がかかっているこのタイミングで一緒に塗ってしまいます。

外壁塗装の様子です。外壁塗装も屋根と同じように下塗り、中塗り、上塗りの３回塗りで塗装します。
下塗りで使用した塗料は水谷ペイントのナノコンポジットシーラーⅡです。この後塗るナノコンポジット専用の下塗り材で、密着性、浸透性、防汚性に優れた下塗り材です。
中塗り、上塗りで使用した塗料が同じく水谷ペイントのナノコンポジットWです。一般的なシリコン樹脂塗料などの有機塗料と、ガラスコーティング塗料などの無機塗料のいいところ取りのハイブリッド塗料で、高耐久性、防汚性、防藻性、不燃性などの機能を持つ塗料です。
ナノコンポジットは無期刑の塗料なので艶消しの設定しかありません。

夏の暑さでお悩みだった屋根を塗料の力で解決できる遮熱塗料で涼しい室内に、汚れが目立って気になっていた外壁を防汚性の高いナノコンポジットの塗料の力で汚れにくい外壁にできました。その効果はすぐには実感できないかもしれませんが期待していただいていいかと思います。