2026.08.24
2026年8月24日 更新 瓦を撤去して初めて分かった破風板の腐食をその場で補修 松本市中央にある築約90年の住宅で進めている屋根葺き替え工事です。 古い瓦を撤去して野地板を施工する段階で、事前の確認では見えなかった破風板の腐食が見つかりました。 そのまま新しい屋根で覆うのではな…
塩尻市で進めているセメント瓦屋根からガルバリウム鋼板への葺き替え工事は、今回で3日目です。
本日は、雨どいの交換工事を行いました。
雨どいは屋根の完成後に取り付ける部材ですが、単に雨水を受けるだけではありません。
屋根から流れてきた雨水を適切に排水し、外壁や基礎への負担を軽減する大切な役割があります。
この記事では、糸を使った勾配調整や雪国ならではの施工方法、狭い場所で屋根上から施工する理由など、完成後には見えにくい職人のこだわりをご紹介します。
前の工程
【塩尻市|下屋根の屋根葺き替え工事 壁際の防水処理が雨漏りを防ぎます】はコチラ>>>
| 項目 | 内容 |
| 施工場所 | 塩尻市 |
| 本日の工程 | 雨どい交換工事 |
| 工事の目的 | 勾配が狂っていた雨どいを交換し、スムーズに排水できる状態へ改善 |
| 重要ポイント | 糸を張って適正な勾配を確認しながら受け金具を施工 |
| 施工時間 | 1日 |
| 次回工程 | ガルバリウム鋼板屋根施工・完成 |
| 完成後の効果 | 雨水を適切に排水し、屋根・外壁・基礎を長く守る |
| 回数 | 工事内容 |
| 第1回 | 防水シート施工までを1日で終える理由 |
| 第2回 | 壁際の防水処理(雨仕舞) |
| 第3回(今回) | 雨どい交換と排水性能の改善 |
| 第4回 | ガルバリウム鋼板施工・完成 |
雨どい工事で最初に行うのが、糸を張って勾配を確認する作業です。
見た目ではほとんど分からないわずかな傾きですが、この勾配が適切でないと、雨水が途中で溜まったり、逆流したりする原因になります。
今回は糸を基準にしながら、一つひとつの受け金具の位置を確認し、ドリルで下穴を開けていきました。
完成すると隠れてしまう工程ですが、この最初の位置決めが雨どい全体の排水性能を左右します。
そのため、経験だけに頼るのではなく、目に見える基準を使って正確に施工することが重要です。
下穴を開けた後は、雨どいを支える受け金具を取り付けます。
今回の現場では、受け金具を450mm間隔で設置しました。
積雪地域では、屋根から落ちる雪や雨どいに積もる雪の重みにより、受け金具の間隔が広すぎると雨どいがたわみ、勾配が狂ってしまうことがあります。
その結果、雨水が流れにくくなったり、雨どい自体の変形につながる恐れもあります。
長野県のような雪国では、こうした地域特有の気候を考慮した施工が欠かせません。
見た目には分からない部分ですが、長期間安心して使っていただくための大切な工夫です。
雨どいの加工では、雨水を縦どいへ流すための**集水器(ジョーゴ)**を取り付ける位置に穴を開けます。
この位置がずれてしまうと、雨水がスムーズに流れず、雨どい内部に水が溜まる原因になることがあります。
そのため、勾配や集水器の位置を確認しながら、一つひとつ丁寧に加工を行いました。
雨どいは既製品をそのまま取り付けるだけではなく、現場ごとに加工を行い、お住まいに合わせて仕上げています。
こうした細かな調整が、雨水をスムーズに排水するための施工品質につながります。
軒どいの端部には、菊絞りと呼ばれる加工を行いました。
菊絞りとは、軒どいの先端を専用工具で絞り、水止めをつくる職人の加工技術です。
もしこの加工がなければ、集水器へ流れる前に雨水が軒どいの端から流れ落ちてしまう可能性があります。
小さな加工ですが、雨水を正しい方向へ導くためには欠かせない工程です。
完成するとほとんど気付かれることはありませんが、こうした細かな加工の積み重ねが、長く安心して使える雨どいにつながっています。
今回の現場では、建物と周囲の距離が非常に狭く、脚立を安全に設置できない箇所がありました。
そのため、無理に地上から作業を行うのではなく、屋根の上から施工する方法を選択しています。
さらに、軒先には一時的に木材を設置し、職人がしっかり足を踏ん張れるよう安全対策を行いました。
施工方法は現場ごとに異なります。
私たちは作業効率だけを優先するのではなく、**「安全に、そして正確に施工できる方法は何か」**を考えながら、その現場に最適な施工方法を選択しています。
今回の工事で最も重要だったのは、雨どいに適切な勾配を付けることです。
「雨どいはまっすぐ取り付ければ良い」と思われる方も多いのですが、実際はわずかな勾配を付けることで、雨水が集水器へスムーズに流れるよう設計されています。
この勾配が適切でないと、雨どいの中に水が溜まったり、逆流したりする原因になります。
反対に、勾配を急にしすぎても、水だけが勢いよく流れて落ち葉や砂などが残りやすくなり、詰まりの原因になることがあります。
そのため職人は、糸を張って基準を確認しながら、現場に合わせた適切な勾配をつくっています。
見た目ではほとんど分からない数ミリの違いですが、この積み重ねが雨どい本来の性能を引き出します。
| 勾配 | 起こりやすい症状 |
| 緩すぎる | 雨水が溜まり、オーバーフローや詰まりの原因になる |
| 急すぎる | 水だけが先に流れ、落ち葉や砂が残りやすくなる |
| 適正な勾配 | 雨水とゴミが流れやすく、安定した排水性能を維持できる |
雨どいは「付いていれば安心」ではありません。
適切な勾配で施工されて初めて、本来の排水性能を発揮します。
今回の現場では、施工品質だけでなく安全面にも十分配慮しながら作業を進めました。
特に建物の周囲が狭く、脚立を安全に設置できない場所では、屋根の上から施工する方法を選択しています。
また、軒先には一時的に木材を設置し、足元を安定させてから作業を行いました。
さらに、
など、一つひとつの工程を確認しながら施工しています。
現場の状況は一件ごとに異なるため、その都度「安全で、最も確実な施工方法」を判断することも職人の大切な役割です。
雨どいは、屋根から流れてきた雨水を地面へ排水するための設備です。
もし雨どいがなければ、雨水は屋根から直接地面へ落ち続け、
など、住まい全体にさまざまな影響を与える可能性があります。
つまり雨どいは、屋根だけでなく外壁や基礎まで守る排水設備なのです。
普段あまり意識されない部分ですが、住まいを長持ちさせるためには欠かせない役割を担っています。
次のような症状がある場合は、雨どいの点検をおすすめします。
✅ 雨どいから雨水があふれている
✅雨の日に水たまりができる
✅ 雨どいがたわんでいる
✅ 雪のあとに雨どいが変形した
✅ 外壁に雨だれの跡が付いている
ひとつでも当てはまる場合は、排水機能が低下している可能性があります。
今回の雨どい交換によって、勾配が狂っていた排水経路が改善され、雨水がスムーズに流れるようになりました。
これにより、雨どいの中に水が溜まりにくくなり、外壁や基礎への負担も軽減されます。
また、450mm間隔で受け金具を設置したことで、雪の重みによるたわみや勾配の変化も起こりにくくなりました。
完成すると目立たない部分ですが、長く安心して暮らせる住まいづくりにつながる大切な工事です。
次回はいよいよガルバリウム鋼板屋根を施工し、屋根葺き替え工事が完成します。
これまでご紹介した
こうした見えない施工品質が積み重なり、最後に新しい屋根材が施工されます。
完成した屋根だけを見ると分からない職人のこだわりも振り返りながら、4回連載の締めくくりとして完成した住まいをご紹介します。
次の工程
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雨どいは「雨水を流すだけの部材」と思われがちですが、実際には屋根・外壁・基礎を守る重要な排水設備です。
私たちは屋根材だけでなく、雨水がどのように流れ、どのように建物を守るかまで考えながら施工しています。
見えない部分の品質にこだわることが、10年後、20年後も安心して暮らせる住まいにつながると考えています。
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