2026.09.03
2026年9月3日 更新 割れた和瓦を部分補修ではなく金属屋根へ葺き替えました 安曇野市の築30年のお住まいから、「屋根瓦が何枚か割れているので、この先も安心して住めるようにしっかり直したい」とご相談をいただきました。 現地調査を行うと、平瓦には割れ、屋根の頂部にある棟瓦にはズレ…

今回の工事を考えるきっかけになったのは、庭に屋根材の一部が落ちていたことでした。
普段、屋根の上を間近で見る機会はほとんどありません。そのため、地上に屋根材の破片が落ちて初めて劣化に気付くケースもあります。
さらに調査を進める中で、既存屋根がアスベストを含有している可能性のある製品だと分かり、お客様は「このまま屋根に残しておいて大丈夫なのだろうか」と不安を感じていらっしゃいました。
屋根の破損だけでなく、既存屋根材そのものへの不安が、今回の工事方法を決める大きなポイントになりました。





諏訪市の築約30年の戸建て住宅で、**「ある日、庭に屋根材の破片が落ちていた」**ことをきっかけにご相談いただきました。
インターネットで屋根工事業者を探され、「街の屋根やさん松本諏訪平店」へお問い合わせいただきました。当店はイトウ住建が運営しています。
調査すると、既存屋根はナショナル「フルベスト20」。
今回はカバー工法も選択肢にありましたが、お客様の不安や今後も住み続けることを考え、既存スレートを撤去する葺き替え工事を選択しました。
今回の工事は、諏訪市で実際に行った屋根リフォームをまとめた
「諏訪市の屋根カバー工法施工事例5選|スレート屋根のリフォーム事例を紹介」
でご紹介している5事例のうちの1件です。
5事例では、雨漏り、スレートの劣化、塗膜剥離など、それぞれ異なる状態から工法を判断しています。
今回の住宅はその中でも、カバー工法ではなく既存スレートを撤去して葺き替えた事例です。「カバー工法と葺き替えのどちらが自宅に合うのか」を比較したい方は、5選記事もあわせてご覧ください。
【諏訪市の屋根カバー工法施工事例5選|スレート屋根のリフォーム事例を紹介】はコチラ>>>
屋根全体を地上から見ると、大きく変形している場所や広範囲に欠損している場所はなく、一見すると大きな問題がないようにも見えました。
しかし、今回は実際に屋根材の一部が庭へ落下しています。
屋根は地上から眺めるだけでは細かなひび割れや軒先の傷みまで確認することができません。
「見た目は大丈夫そう」という印象だけで判断せず、屋根材の端部や表面を確認する必要がある状態でした。
軒先の小口を確認すると、屋根材の一部に水分の影響を受けたと考えられる劣化があり、表層が崩れている箇所を確認しました。
スレートは経年によって表面の防水性が低下すると、水分の影響を受けやすくなる場合があります。
特に軒先は雨水や凍結・融解などの影響を受ける場所です。
屋根材の破損が進めば、破片が落下する可能性もあるため、屋根面だけでなく端部の状態も工事方法を判断する重要な材料になります。
さらに屋根材を近くで確認すると、複数箇所にクラック(ひび割れ)が見つかりました。
スレート屋根は経年劣化や温度変化などによってひび割れが発生することがあります。
小さなクラックであれば補修できる場合もありますが、今回は庭に屋根材の破片が落下していたことや軒先の劣化も確認されています。
一つのひび割れだけを見るのではなく、屋根全体でどの程度劣化が進んでいるかを確認して工事方法を考える必要がありました。
屋根材の種類を確認するため、スレートに残っていた刻印も調査しました。
そこには**「フルベスト20」**の刻印があり、既存屋根材の商品を確認することができました。
古いスレート屋根では、製造時期や製品によってアスベストを含有している可能性があります。
そのため、屋根材を撤去する場合には製品名や建築時期などを確認し、必要な事前調査を行ったうえで、適切な飛散防止措置や処分方法を計画することが重要です。
今回の住宅では、既存スレートの上から新しい金属屋根を施工する屋根カバー工法も検討できる選択肢でした。
カバー工法であれば、既存屋根材を大きく解体せず、その上から新しい屋根を施工します。そのため既存スレートを撤去する葺き替えと比べ、解体や廃材処分を抑えやすいというメリットがあります。
しかし、お客様が最も気にされていたのは費用だけではありませんでした。
「アスベストを含んでいる可能性がある屋根材を、この先も自宅に残しておくことが不安」
というお気持ちがありました。
カバー工法で既存屋根材を覆う方法についてもご説明しましたが、今後もこの住宅に住み続けることを考え、お客様は既存スレートを撤去することを希望されました。
そこで今回は、必要な飛散防止措置を行ったうえで既存屋根材を撤去し、下地から新しい金属屋根へ作り直す屋根葺き替え工事を選択しました。
工法選びでは、施工できるかどうかだけでなく、それぞれの方法のメリット・デメリットを理解したうえで、お客様が将来まで納得できる方法を選ぶことも重要です。
カバー工法は既存屋根を残して施工できるため、撤去・処分を抑えやすい方法です。
一方、葺き替えは既存屋根を撤去するため、下地の状態を確認・補強しやすいメリットがあります。
今回はカバー工法も選択肢としてご説明しましたが、「アスベストを含む可能性のある屋根材を残したくない」というお客様のご希望を踏まえ、既存スレートを撤去する葺き替えを選択しました。
ここは今回の記事で特にお伝えしたいところです。
アスベストを含有している可能性があるスレート屋根だから、必ず撤去しなければならないという意味ではありません。
屋根葺き替え工事は高所で既存屋根材を撤去し、新しい屋根を施工する工事です。
そのため最初に建物周囲へ足場を設置します。
足場は職人が安全に作業するためだけの設備ではありません。
今回は既存スレートを撤去するため、周囲への配慮も通常以上に重要になります。
飛散防止のための養生を適切に設置し、安全に撤去作業を進めるための作業環境を整えることが最初の重要な工程です。
既存スレートを撤去する前に、周囲へ飛散防止のための養生を行います。
アスベストを含有する建材を扱う工事では、建材の種類や作業内容に応じた適切な飛散防止措置や廃棄物の管理が必要です。
特に今回は屋根材そのものを撤去するため、通常の屋根工事と同じ感覚で解体することはできません。
「古い屋根を剥がす」だけではなく、周囲への飛散を抑えながら適切に撤去・処分するところまでが今回の葺き替え工事です。
飛散防止の養生を行ったうえで、既存のフルベスト20を順番に撤去していきます。
アスベストを含有する建材を扱う際は、必要以上に割ったり破砕したりしないことが重要です。そのため、屋根材をできるだけ原形のまま取り外しながら作業を進めました。
今回は「既存屋根材を残しておくことが不安」というお客様のご希望が葺き替えを選んだ大きな理由です。撤去時にも飛散防止へ配慮しながら適切に作業することが重要になります。
撤去した既存屋根材は、そのまま現場へ放置するのではなく、トン袋に集めて管理し、処分業者へ運搬します。
アスベストを含有する建材は、撤去作業だけでなく、その後の保管・運搬・処分まで適切に取り扱う必要があります。
屋根葺き替えでは大量の廃材が発生するため、「どう剥がすか」だけではなく「撤去した屋根材をどのように管理・処分するか」まで含めて工事を計画することが大切です。
フルベスト20の撤去後は、屋根面に残った細かな破片やゴミなどを取り除きながら清掃します。
カバー工法との大きな違いの一つが、既存屋根材を撤去することで、その下の状態を確認しやすくなることです。
古い屋根材を取り除いたらすぐに新しい屋根を施工するのではなく、まず新しい屋根をつくるための状態を整えます。
こうした見えなくなる部分の確認も、葺き替え工事では重要な工程です。
既存屋根材を撤去・清掃した後、12mm厚の構造用合板を施工して新しい屋根下地をつくります。
この下地は「野地板」と呼ばれ、防水シートや新しい金属屋根を支える重要な部分です。
葺き替え工事は、表面の屋根材だけを交換する工事ではありません。
今回は既存スレートを撤去したうえで新しい下地を施工することで、これから施工する防水シートと金属屋根を安定して固定できる屋根面をつくりました。
構造用合板の上には、粘着式の改質アスファルトルーフィングを敷設します。
ルーフィングとは、屋根材の下に施工する防水シートです。
屋根材の内側へ回った雨水を受け止め、建物内部への浸入を防ぐ重要な役割があります。
完成すると見えなくなる部分ですが、屋根の防水性能を支える重要な工程です。
新しい屋根材だけでなく、その下にある防水層まで新しくすることが葺き替え工事の大きなメリットです。
防水シートの施工後には、遮熱シート「サーモバリア」を施工しました。
遮熱シートは、太陽から受ける輻射熱を反射することで、屋根から建物内部へ伝わる熱を抑えることを目的とした材料です。
今回の工事では単に古いスレートを新しい金属屋根へ交換するだけではなく、これからも住み続ける住宅で夏場の室内環境を少しでも快適にすることも考え、屋根下に遮熱対策を追加しました。
下地・防水・遮熱の各層を施工した後、新しい金属屋根を取り付けていきます。
今回使用したのは、日鉄鋼板の「ニクスカラーSGL鋼板」です。
既存のスレート屋根を撤去してから金属屋根へ葺き替えるため、カバー工法のように古い屋根と新しい屋根が二重になるわけではありません。
既存屋根材を撤去したうえで軽量な金属屋根へ更新できることも、今回の葺き替え工事の特徴です。
屋根材の施工が終わったら、各部の固定状態や板金の納まりなどを確認し、屋根面を清掃して工事完了です。
今回の工事では、既存のフルベスト20を撤去し、12mm厚の構造用合板、防水シート、遮熱シート、新しいSGL鋼板という構成へ作り直しました。
施工面積は140㎡、工事費用は240万円(税込)、工期は10日間です。
既存屋根を残さず、新しい屋根へ更新したことがお客様にとって大きな安心につながる工事となりました。
今回の葺き替え工事で最も大きく変わったのは、屋根が新しくなったことだけではありません。
お客様が不安に感じていたアスベストを含有している可能性のある既存屋根材を撤去したことです。
カバー工法で既存スレートを残す方法もご説明しましたが、「今後も住み続ける家だからこそ、古い屋根材を残したくない」というご希望から葺き替えを選択しました。
さらに下地・防水シートも新しくし、遮熱シートも追加しています。
屋根材への不安を解消するとともに、これから先の暮らしまで考えた屋根へ更新することができました。
今回の記事で特にお伝えしたいのは、アスベストを含有している可能性がある屋根だから、必ず撤去・葺き替えをしなければならないわけではないということです。
既存屋根の状態や下地に問題がなく、カバー工法が施工可能であれば、既存屋根材を残して新しい金属屋根で覆う方法も選択肢になります。
一方で今回のお客様は、
という状況でした。
そのため、カバー工法と葺き替えの違いをご説明したうえで、お客様が納得できる方法として既存屋根材を撤去する葺き替えを選択しました。
工法は屋根材の種類だけで決めるものではありません。
建物の状態・費用・今後の住まい方、そしてお客様が何に不安を感じているのかまで含めて選ぶことが大切です。
諏訪市では冬季に気温が氷点下まで下がる日があり、屋根材が水分を含んだ状態で凍結・融解を繰り返すと、傷んだ屋根材の劣化を進める一因になる場合があります。
今回の住宅でも、屋根全体を遠くから見ただけでは大きな異常は分かりませんでしたが、近くで確認すると軒先の傷みやクラックが見つかりました。
特に軒先や屋根材の端部は、屋根面中央とは異なる傷み方をすることがあります。
庭やベランダに屋根材らしき破片が落ちていた場合は、破片だけを片付けて終わりにせず、屋根のどこから落ちたものなのか確認することをおすすめします。
今回のお客様は、庭に落ちていた屋根材の破片をきっかけにお問い合わせくださいました。
調査すると、既存屋根はフルベスト20で、軒先の劣化や複数のクラックも確認できました。
カバー工法で既存屋根を覆う方法も選択肢としてご説明しましたが、お客様にとって一番大きかったのは**「アスベストを含有している可能性のある屋根材を、この先も残しておくことへの不安」**でした。
屋根工事は、施工できる工法の中から一番安いものを選べばよいとは限りません。
屋根の状態を診断したうえで、それぞれの工法のメリット・デメリットをご説明し、お客様が納得できる方法を一緒に考えることが大切だと改めて感じた事例です。
「庭に屋根材のような破片が落ちていた」
「自宅のスレートにアスベストが含まれているのか気になる」
「カバー工法で残しても大丈夫なのか、撤去した方がいいのか知りたい」
そんな段階でもご相談ください。
イトウ住建では、確認可能な範囲で屋根材の種類・ひび割れや欠損・軒先の状態・下地の状態・雨漏りの有無などを確認し、カバー工法と葺き替えのどちらが適しているかを検討します。
最初から葺き替えを前提にするのではなく、**「うちの屋根はどんな状態なのか」「カバー工法でいいのかだけ知りたい」**というご相談でも構いません。
これからも安心して住み続けるために、まずは現在の屋根の状態を知るところから始めてみてください。
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