2026.08.23
2026年8月23日 更新 リビング天井の雨染みから調査を始めました こんにちは。街の屋根やさん松本諏訪平店を運営するイトウ住建です。 今回は松本市の築約20年のお住まいで、「リビングの天井に雨染みがある」とご相談をいただきました。 雨漏り調査で大切なのは、最初に見つけた劣化だけ…
安曇野市にある築40年以上の大型施設から、**「雨が降ると通路の天井や壁から雨漏りする」**とご相談をいただき、現地調査を行いました。
屋根面積は約1,120㎡。住宅とは規模が大きく異なり、雨漏り箇所も一つとは限りません。
実際に施設内部から天井裏、屋根上まで順番に確認すると、天井の雨染み、壁面の塗膜剥離、鉄骨のサビ、屋根材の腐食、板金カバーや固定ビスの劣化など、複数の不具合が確認できました。
大型施設の雨漏りでは、目の前で水が落ちている場所だけを補修しても、別の浸水経路が残っていれば再発する可能性があります。
この記事では、どこから雨水が入り、建物内部へどのように影響している可能性があるのかを、現地調査の写真とともにご紹介します。
※「街の屋根やさん松本諏訪平店」は、長野県塩尻市のイトウ住建が運営しています。
この記事では以下「イトウ住建」と表記します。
雨漏りしている場所だけを見るのではなく、「室内→天井裏→屋根上」と雨水の経路を追ったことが今回の調査のポイントです。
今回ご相談いただいた施設では、雨が降るたびに通路の天井や壁から雨漏りが発生していました。
築40年以上が経過していることに加え、屋根面積は約1,120㎡あります。
これだけ大きな屋根では、雨漏り箇所の真上だけに原因があるとは限りません。
屋根から入った雨水が内部の部材を伝って離れた場所へ移動し、室内へ現れることもあります。
そのためイトウ住建では、室内の雨漏り跡だけで判断せず、天井裏と屋根上を含めて調査しました。
最初に確認したのは、施設内の通路です。
天井材には茶色い雨染みが広がり、雨天時には実際に水が落ちてくることもあるとのことでした。
ただし、室内で水が落ちている位置と、屋根から雨水が入っている位置が一致するとは限りません。
ここを雨漏りの「出口」と考え、さらに上部を確認していきます。
別の場所では、天井表面の塗膜が部分的に膨れていました。
こうした膨れは、下地側から水分の影響を受けて発生することがあります。
表面だけを塗り直しても、上部からの浸水が続いていれば再び症状が現れる可能性があります。
そのため、内装の補修より先に雨水の侵入経路を確認することが重要です。
雨漏りの影響は天井だけではありませんでした。
壁面でも塗膜の剥がれや下地の露出が確認できました。
屋根から入った雨水は、建物内部の部材などを伝って壁側へ移動することがあります。
今回のように複数の場所へ症状が出ている場合、一つの雨染みだけを見るのではなく、建物内部で水がどのように移動しているかを確認する必要があります。
室内の症状を確認したあと、普段は見えない天井裏へ入りました。
建物を支えるH鋼には、広い範囲で赤サビが確認できます。
鉄骨にサビがあるからといって、写真だけで構造上の強度まで判断することはできません。
しかし、雨漏りによって鉄部が繰り返し水分にさらされれば腐食が進行する可能性があるため、これ以上濡らさない対策を優先する必要があります。
さらに周囲を確認すると、一つのH鋼だけではなく、複数の鉄骨部材にもサビが見られました。
この状況から、雨水の影響が限られた一点だけではなく、ある程度広い範囲に及んでいる可能性を考えます。
大型施設では屋根面積が広いため、「ここを塞げば終わり」と早い段階で原因を決めつけないことも雨漏り調査では重要です。
屋根の裏側にも、複数の雨染みが確認できました。
一つだけなら周辺を重点的に調べる方法もありますが、今回のように症状が点在している場合は、屋根全体の劣化状況も確認する必要があります。
そこでイトウ住建では、室内側の症状と位置関係を確認しながら、屋根上の調査へ進みました。
天井裏から壁側を見ると、水が流れたような跡も残っていました。
室内で確認した壁面の塗膜剥離と合わせて考えると、屋根から入った雨水が天井裏を経由し、壁側へ回り込んでいる可能性も考えられます。
ここまでの調査で重要なのは、
「雨漏りしている室内の一点だけを直せばよい状態ではなさそうだ」
ということです。
次に、約1,120㎡ある屋根へ上がり、雨水の侵入口になり得る箇所を確認していきます。
屋根へ上がると、金属屋根の広い範囲で塗膜の劣化とサビが確認できました。
金属屋根は塗膜によって雨水などから表面を保護していますが、経年によって塗膜の保護機能が低下すると、金属部分にサビが発生しやすくなります。
今回の屋根は一部分だけが傷んでいるのではなく、約1,120㎡の広い範囲で経年劣化が進んでいる状態でした。
この状況が、今回「部分補修だけで対応できるか」を慎重に判断する必要があった大きな理由です。
近くで確認すると、既存の塗膜が剥がれ、その下にサビが発生していました。
金属屋根のメンテナンスでは塗装が選択肢になる場合もありますが、屋根材そのものの腐食が進んでいる場合は、塗装だけで雨漏りを解決できるとは限りません。
そのため今回は、
「塗装できるか」ではなく、「現在の屋根を今後も防水層として使い続けられるか」
という視点で状態を確認しました。
そして調査を進めると、屋根材全体の経年劣化だけでなく、雨水の侵入口になっている可能性が高い板金カバーと固定部分の異常も見つかりました。
屋根上には、H鋼を保護するため、木材を下地として板金を被せたカバーが計6本設置されていました。
調査すると、内部の木下地に傷みが見られ、板金にもガタつきが生じている箇所がありました。
屋根本体だけでなく、こうした屋根上の付帯部分も雨水の侵入口になり得るため、大型施設の雨漏り調査では一つずつ確認する必要があります。
板金カバーを固定しているビスにも劣化が見つかりました。
ビスにはサビが発生し、一部は板金から浮き上がっています。
本来は板金をしっかり固定する部分ですが、ビスが浮けば周囲に隙間が生じ、雨水が入り込む経路の一つになる可能性があります。
広い屋根では小さな固定部まで見落とさず、雨漏り箇所との位置関係を確認することが重要です。
さらに確認すると、固定ビスそのものが脱落し、板金に穴が残っている箇所もありました。
開口した部分は雨水が入り込む可能性があるため、優先して対策を検討すべき箇所です。
ただし、今回の雨漏りをこのビス穴だけが原因と決めつけることはできません。
約1,120㎡の屋根全体に経年劣化があり、板金カバーや固定部分にも複数の不具合が確認されています。
そのためイトウ住建では、一つの穴だけを塞ぐのではなく、屋根全体を見て修繕範囲を判断する必要がある状態と考えました。
今回の調査では、室内から屋根上まで確認した結果、
など、一つの場所だけでは説明しにくい複数の不具合が確認されました。
この状態で目立つ穴やビスだけを補修しても、別の劣化箇所から雨水が入れば雨漏りが再発する可能性があります。
そのため今回は、応急的・部分的な補修だけではなく、屋根全体の葺き替えやカバー工法を含めた大規模修繕を選択肢として検討する必要があると判断しました。
どの工法が適しているかは、既存屋根の状態や下地、建物の構造、今後の使用予定、予算などを踏まえて決めていきます。
大型施設では、住宅と比べて修繕面積が大きく、工事費用も高額になりやすいため、建物を今後どのくらい使用するのかという維持管理計画も重要です。
今回、屋根全体を改修する場合の概算としては**1,600万円~**を想定していますが、これは約1,120㎡の屋根全体を対象とした場合の目安です。
実際の修繕では、劣化状況や施設の稼働予定、ご予算などを確認しながら、全面改修だけでなく優先順位を決めた改修方法も検討します。
大切なのは、単純に工事金額だけで決めるのではなく、**「どこに不具合があり、どこまで直せば今後の雨漏りリスクを抑えられるのか」**を把握したうえで修繕計画を立てることです。
今回の安曇野市の施設では、室内の雨漏り箇所だけを見ていたのでは、屋根全体の腐食や板金カバー、固定ビスの異常までは分かりませんでした。
特に築年数が経過した大型施設では、長い年月のなかで複数の部位が同時に劣化していることがあります。
室内→天井裏→屋根上と順番に確認し、雨水が入り得る場所と建物内部への影響を一つずつ整理する。
これが、再発を繰り返さないための雨漏り調査で重要なポイントです。
安曇野市は冬季に積雪や凍結が見られる地域でもあります。
金属屋根や固定部に劣化がある場合は、雨水だけでなく雪や凍結の影響も受けるため、建物の状態に合わせた継続的な点検が重要になります。
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