2025.12.06
2025年12月6日 更新 ◆まずは外壁と屋根を丁寧にチェック 諏訪郡富士見町で「外壁が粉っぽい」「屋根のサビが気になる」とお問い合わせをいただき、現地調査に伺いました。実際に拝見すると、外壁のチョーキングやクラック、金属部分の剥離など“雨漏りが隠れやすいポイント&r…
屋根塗装というと「色を塗り替える作業」が主役のように感じられますが、実はその前段階にこそ、家を長持ちさせるための大事なポイントが隠れています。
特に山形村のように雪がしっかり積もる地域では、雪の重みで雨どいが曲がったり、強風で棟板金の釘が浮いたりと、屋根まわりにトラブルが集まりやすい傾向があります。
今回ご紹介する現場も、「塗装をする前に直しておきたい部分」がいくつも見つかったケース。
雨どいの歪み、使われていない太陽熱温水器、腐食した棟板金の下地…
こうした問題を先に整えておくことで、塗装の仕上がりも耐久性もグンと上がります。
現場に同行した女性スタッフの目線で、ひとつひとつ丁寧にお話ししていきますね。
山形村のお客様から「屋根の色褪せが気になってきた」とご相談をいただいたのが今回のスタートでした。
現地調査に伺うと、まず目に入ったのが雨どいの歪みです。
屋根に積もった雪が一気に滑り落ちた際、その衝撃で中央がグッと押し下げられ、U字型にたるんでしまっていました。
さらに屋根に上がると、棟板金の釘が何本も浮いている状態。
軽く触れただけで“スッ”と抜けてしまい、これは雨漏りにつながる危険なサインです。
念のため小屋裏を確認したところ、棟木に雨染みを発見。
室内にまだ症状は出ていなかったものの、放置すれば確実に雨漏りへ進む状況でした。
そして屋根の端には、壊れて何年も使われていない太陽熱温水器が残っており、その周囲は埃と汚れがたまっていました。
このままでは塗装が十分に行えないため、
「塗装前に3つの修繕工事を先に実施する」
という段取りで工事が進むことになりました。
雪が屋根から滑り落ちる瞬間、想像以上の力が加わります。
この写真の雨どいは、まさにその力に押されて中央がグッと下がり、両端より低い“逆勾配”の状態になっていました。
通常、雨どいは右から左、あるいは左から右へと水が集水器に向けて流れるよう、わずかな角度がつけられています。
しかし逆勾配になると、
水が流れず中央に溜まる
ゴミがたまりやすく腐敗臭が出る
雨水が縁からあふれ外壁を汚す
などさまざまなトラブルを招きます。
雨どい自体は金属製でも、その下を支える吊り金具が曲がってしまうケースが多いため、ただ「雨どいを交換する」だけでなく、
糸を張り、水平と勾配を細かく調整する作業
がとても重要になります。
昔はよく見かけた太陽熱温水器です。
当時は省エネ機器として人気がありましたが、実際には
雪の重みで破損
パネルの劣化
タンクの水漏れ
などが起きやすく、現在は使われていないお宅が大多数です。
この現場でも「もう何年も使っていない」とのことで、太陽熱温水器の周囲には枯葉や砂埃が堆積し、基盤も錆びていました。
温水器の下に影になる部分が多く、そこだけ塗装の色が残っている“塗り残し”のような状態になっていたため、撤去は塗装前の必須作業でした。
屋根表面に雨漏りの症状が出ていなくても、小屋裏には意外なサインが残っていることがあります。
この写真のように、棟木の部分がうっすらと黒ずんでおり、これは過去に水分が入り込んだ証拠。
この段階で発見できたのは幸いで、天井にシミが出る前に原因を突き止められました。
雨漏りは「どこから入っているか」によって対応がまったく異なるため、小屋裏の確認は非常に大切です。
棟板金を外してみると、内部のヌキ(角材)が黒く変色し、ところどころ指でほぐれるほど腐食していました。
雨風が吹き込む位置のため、木材が湿気を吸い続けて弱くなったと考えられます。
ヌキが腐っていると、
釘が効かない
強風で棟板金が飛ばされる
雨水がスムーズに流れない
などのリスクが高まります。
棟板金交換は、見た目以上に“内部の構造を整える”工程なのです。
古い雨どいを外すときは、ただ外すだけではなく、吊り金具の位置や曲がり具合をひとつずつ確認します。
雪害で押し下げられた部分は、金具ごと交換する必要があります。
撤去後は、屋根から落ちた砂埃や落ち葉がたまっていることが多いため、そのまま新しい雨どいを取り付ける前に清掃を行います。
見えない部分だからこそ、細かい配慮が仕上がりに影響します。
新しい雨どいを取り付けた後は、必ず
① 勾配の確認
② 水を流してテスト
この2つをセットで行います。
写真⑥のように、勾配が整っていれば水がスムーズに集水器へ流れ、溢れや停滞が起きません。
この現場では雪害ということで、火災保険が適用され、お客様も大変安心されたご様子でした。
棟板金を外すと、中の角材(ヌキ)の傷み具合がよくわかります。
この現場では、穴が空いている箇所もあり、強風で飛散してもおかしくない状態でした。
棟板金は屋根の“てっぺん”を守る重要な部位。
ここが弱っていると雨漏り・強風被害のどちらも起きやすくなるため、早めの対処が必要です。
木製のヌキは湿気に弱いのに対し、樹脂製のヌキは
腐食しない
水を吸わない
長寿命
というメリットがあります。
また棟板金を固定するビスも、サビにくいステンレス+パッキン付きのものへ変更し、雨水の侵入を防ぎます。
この組み合わせで、棟部分の耐風性が格段に向上します。
塗装工事の前に、雨どい・温水器・棟板金などの不具合を整えておくことで、
仕上がりが美しくなる
雨漏りのリスクが減る
塗装の寿命が長くなる
という大きなメリットがあります。
特に雪害や経年劣化が進みやすい山形村では、塗装前の“準備工事”を丁寧に行うことが欠かせません。
今回のように、下地をしっかり整えてから塗装に進むことで、安心して長く住める住まいに近づきます。
屋根の色褪せが気になって塗装をお願いしたのですが、調査の時に雨どいの歪みや棟板金の問題まで見つけていただき、お願いして本当に良かったと思いました。
太陽熱温水器もずっと気になっていたので、撤去してもらえてスッキリしました。
棟板金の下地が腐っていたと聞いて驚きましたが、塗装前にしっかり直していただけたので安心です。
丁寧に説明していただき、家がきれいになるのが今から楽しみです。
山形村は雪が多く、屋根まわりのトラブルが起きやすい地域です。
今回の現場でも雨どいの歪みや棟板金の腐食など、塗装前に整えておきたい部分が多く見つかりました。
塗装工事を長持ちさせるためには、こうした“見えない部分”をどれだけ丁寧に対処できるかがとても重要です。
これから塗装工程に進みますが、引き続き責任を持ってきれいに仕上げていきますのでご安心ください。
東筑摩郡山形村は標高が高く、冬は冷え込みが厳しいことで知られています。
積雪量も多く、屋根に雪が一気に落ちる“雪滑り”によって雨どいが破損するケースが後を絶ちません。
また強風の日も多く、棟板金の釘浮き・飛散トラブルが起こりやすい地域でもあります。
さらに、朝晩の気温差が大きいため結露が発生し、木材が湿気を含んで腐食しやすい環境でもあります。
山形村で屋根工事を検討する際は、
雪害を考慮した雨どい選定
樹脂製下地の採用
耐風性の高いビス
といった“地域特性に合わせた施工”が住まいの寿命を延ばすポイントになります。
街の屋根やさんご紹介
街の屋根やさん松本諏訪平店の実績・ブログ
会社情報
屋根工事メニュー・料金について
屋根工事・屋根リフォームに関する知識
Copyright © 2016-2025 街の屋根やさん All Rights Reserved.