2025.12.15
2025年12月15日 更新 松本市でスレート屋根のご相談をいただく際、よくお聞きするのが「塗装だけで大丈夫でしょうか?」というご質問です。表面の色あせなら塗装が有効ですが、内部の防水層が劣化している場合、塗装だけでは根本的な解決になりません。とくにスレート屋根は防水層の状態で工…

🔎 強風被害からわかった“下地の深刻な劣化”
上伊那郡箕輪町にお住まいのI様は、ある日突然の「ドンッ!」という衝撃音に驚いたそうです。
外へ出てみると、なんと棟板金が庭先に落下…。
天竜川から吹き上げる風が強い地域とはいえ、こんな大きな部材が落ちてくるとは想像もしなかったとのことでした。
「築35年、一度も屋根のメンテナンスをしていなかった」というお話を伺い、現地調査を実施すると原因は明確でした。
棟板金を固定していた“ヌキ”と呼ばれる木材が、腐食でスカスカになり、釘の保持力を完全に失っていたのです。
釘が浮いた状態のまま強風が吹き続けたことで、棟板金があおられ落下…これは地域特有の風の強さと経年劣化が重なって起きた典型的なケースでした。
「どうせ直すなら、これから先の心配がない方法で」とのご希望もあり、
防水層から屋根材まで新しく重ねる ガルバリウム鋼板の屋根カバー工法 を採用。
屋根の軽量化・耐久性・防水性を一気に底上げする工事がスタートしました。





🧰 “強風で飛んだ棟板金”…そこから始まった屋根の再生物語
カラーベストの屋根は軽量で扱いやすい一方、築30年を過ぎると、棟板金や下地の木材が少しずつ疲れてきます。
とくに上伊那郡箕輪町のように天竜川の風が吹き上げる地域では、「棟板金が風にあおられて飛んでしまう」という被害が毎年のように起こります。
今回のお住まいも、まさにそのケースでした。
35年前の工事から一切メンテナンスをしていなかったカラーベスト屋根に、長年の紫外線・風・雨が積み重なり…ついに棟板金が落下。
幸いにも人・車・家屋への被害はありませんでしたが、お施主様にとっては大きな不安の瞬間でした。
「塗装で直したい」とのお気持ちもありましたが、下地の腐食が進んでいたため、今回は**“今の屋根の上から新しい屋根をかぶせるカバー工法”** をご提案しました。
屋根の寿命をぐっと延ばせる方法を、写真とともに順番に解説していきます。
こちらは現地調査で最初に目に飛び込んできた光景です。
棟板金が完全に外れ、屋根の上にはタイヤが置かれていました。これは「これ以上飛ばないように」という応急処置で、昔はよく見られた対策です。
天竜川沿いは突風が吹き込む日が多く、築35年のカラーベスト屋根には少し負担が大きかったようです。
棟板金は屋根の“てっぺん”を守る重要な部材で、ここが外れると雨漏りや下地腐食につながるため、早めの点検が必要になります。
落下してしまった棟板金の残り部分をすべて取り外します。
この作業は慎重に行わないと、下のカラーベストを傷つけてしまうことがあるため、作業員も力加減に注意して行います。
棟部分は屋根の中でもとくに風を受けやすく、さらに雨水が集まりやすい場所なので、劣化が進んでいる家が非常に多いです。
棟板金を固定していた“ヌキ”は、屋根の要となる木材ですが、ご覧の通り内部はスカスカ…。
木の繊維が崩れるほど腐ってしまうと、釘がまったく効かず、棟板金が浮き上がります。
強風のたびに揺らされ続け、最後は耐えきれず落下した…という流れが手に取るように分かります。
これは「メンテナンスをしていないカラーベスト屋根に多い典型的な症状」です。
棟部分を取り払うと、カラーベストの割れや欠けが複数確認できました。
築35年のカラーベストにはアスベストが含まれており、当時は“強度が高い屋根材”として普及していましたが、さすがにこれだけ年月が経つと劣化は避けられません。
カバー工法はこのような古いカラーベストも「撤去せず安全に封じ込められる」ため、もっとも適した工法といえます。
まずは防水の要であるルーフィングを棟から貼り始めます。
今回使用したのは 改質アスファルトルーフィング。
普通のアスファルトルーフィングに比べ、柔軟性・耐熱性・防水性が高く、屋根カバー工法との相性がとても良い防水材です。
伸縮しても破れにくいので、温度差の激しい上伊那地域では特に効果を発揮します。
ルーフィングを重ねる“かさねしろ”は20cm確保。
この数字を守らないと、台風や大雨時に水が逆流しやすく危険です。
さらにジョイント(継ぎ目)部分は防水テープでしっかり補強し、
「棟 → サイド → 全面」
の順で防水層が3重になるように仕上げています。
これにより、今後の雨漏りリスクを大きく減らすことができます。
屋根材を固定するための最初の部材が“スターター”です。
昔は軒先を切断して調整するなど手間が多かったのですが、現在は“ゼロスターター”など効率的な部材が登場し、より精度の高い施工ができるようになりました。
今回は既存の軒先形状に合うものがなかったため、自社加工して取り付けています。
こうした細かな対応が、雨水の入り口になりやすい軒先の耐久性を大きく左右します。
今回採用したのは ガルバリウム鋼板 AT横葺き。
AT横葺きとは、金属屋根の中でも「軽量・遮熱・静音性」に優れた工法で、
・重ね目が少なく雨仕舞いが良い
・見た目がシャープで美しい
・カラーベストとの相性が抜群
という特徴があります。
ビスは30cm間隔で、既存のカラーベストを貫通して下地の垂木へしっかり固定。
一枚一枚、手の感覚で強度を確かめながら留めていきます。
棟部分は雨漏りが起こりやすい“屋根の弱点”。
そのため下地となるヌキ材をしっかり寸法調整しながら設置します。
今回は「コストを抑えつつ安全性も確保したい」というご希望から、30×35mmの木材を使用。
もちろん、予算に応じて腐らない樹脂ヌキに変更することもできます。
すべての工程を終え、屋根が見違えるほど新しい姿に生まれ変わりました。
ガルバリウム鋼板の端正なラインがとても美しく、カラーベスト特有の重さや劣化感はまったくありません。
雪止めも450mmピッチでしっかり配置し、冬の落雪対策も万全。
「もう強風で屋根が飛ばない」安心感が、お施主様の表情からも伝わってきました。
カラーベスト屋根は軽くて扱いやすい反面、築30年を超えると棟板金や下地の木材が傷みやすく、今回のように“強風で飛んでしまう”ケースが増えてきます。
しかし、屋根全体を撤去する必要はありません。
今回のように 既存屋根を活かしつつ、防水層と金属屋根を重ねるカバー工法 を行えば、
・雨漏りしにくい構造になる
・屋根が軽くなる
・耐久性が一気に向上する
といったメリットが、短期間で得られます。
とくに上伊那郡のように風の影響を受けやすい地域では、棟の下地材・ルーフィング・固定ビスなど細部の施工品質が“屋根寿命そのもの”を左右します。
これから屋根を考えている方、また「一度もメンテナンスしていない」という方は、ぜひ一度点検を受けてみてください。
屋根が変わると、お家の安心レベルは想像以上に高まりますよ。
「棟板金が落ちたあの日は本当に怖かったです…。
幸いにも人や車にあたらずに済みましたが、“うちの屋根はもう限界かな”と実感しました。
正直、最初は塗装でどうにかなると思っていましたが、調査で下地がスカスカになっていたと聞いて驚きましたね。
今回、カバー工法でしっかり直していただいたことで、
“あの日のような強風でも飛ばない”
という安心感が得られました。
見た目も綺麗で、屋根がすごく軽くなった感じがして嬉しいです。
外壁の相談もぜひお願いしたいと思っています。」
「I様、この度はご依頼いただきありがとうございました。
現地調査の日、落下した棟板金を見て胸がざわっとしたのを覚えています。
強風にさらされ続けた屋根は、表面だけでは分からない疲れが溜まっています。
とくに今回のように、棟を支える“ヌキ”が腐ってしまうと、釘の保持力がなくなり、風が吹くたびに少しずつ板金が浮き、最後には落下してしまいます。
今回採用した ガルバリウム鋼板AT横葺き は、軽量・静音・遮熱性に優れ、箕輪町の気候との相性もとても良い屋根材。
ルーフィングも三重構造で仕上げているため、これから先も長く安心していただけると思います。
次は外壁のご相談ということで、引き続きしっかりサポートさせていただきますね。
何か気になることがあれば、どんな小さなことでもお気軽にご連絡ください!」
🗻 天竜川の風と、箕輪町の家づくりの相性について
上伊那郡箕輪町は、中央アルプスと南アルプスに囲まれた自然豊かな場所で、のどかな田園風景が広がっています。
しかし、天竜川沿いは地形の関係で風が抜けやすく、季節によっては突然の突風が吹き抜けることがあります。
今回の棟板金落下も、まさにこの“地形風”が原因でした。
箕輪町の気候と屋根材の相性を考えると、
・風に強く固定力が高い金属屋根
・雨仕舞いが良い横葺き形状
・軽量で耐震性が高い屋根材
などが非常に向いています。
周辺にはみのわテラス、赤そばの里、信州みのわ農園など、自然と触れ合える観光スポットも多く、美しい景観を守るためにも、地域にマッチした屋根工事を選ぶことが大切です。
箕輪町で屋根が心配な方は、早めの点検が安心につながりますよ。
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