2024.10.26
安曇野市のお客様から屋根工事のご相談がありました。その中に太陽光パネルが乗っているのだけれど工事はできるの?というご質問がありました。太陽光パネルが乗っていても露出している面は金属屋根であれば塗装、スレートであれば塗装もしくはカバー工法などメンテナンスが必要です。そのような太陽光…
15年ほど前に屋根に太陽光パネルを付けさせていただいてからのお付き合いで、その後何度か工事のご依頼をいただいているお客様です。太陽光パネルを付けさせていただいたときはまだ築5年くらいでしたが、それから15年築20年を超えて塗装の時期が来ているということ、外壁を触ると白くチョーキングの汚れが付くようになって、塗装のご依頼をいただきました。
まずは屋根外壁とも高圧洗浄を行います。私たちプロは家電量販店やホームセンター、通信販売などでよく見る電動の高圧洗浄機ではなく、左の写真にあるようなガソリンエンジンの強力な洗浄機を使います。電動の洗浄機だと水圧が足りず、欲しい水圧を出すにはホースを細く絞らなければなりません。ボールペンで紙を塗りつぶすイメージです。ボールペンだときれいに塗れず白い部分が残って塗りムラになるかと思います。ガソリンエンジンの高圧洗浄機はホースを絞ることなくほしい水圧を確保できます。筆で紙を塗りつぶすイメージです。筆なら塗り残しなく塗りつぶすことができると思います。こうして屋根や外壁の塗装面についている汚れなどをきれいに洗い流します。洗浄をしっかりやらないと汚れの上に塗料を塗ることになるのですぐに剥がれるなど不具合につながてしまいます。
2021年4月1日にアスベスト規制が強化され、アスベストが含まれているスレートの塗装の前の洗浄をする際、洗浄した排水をすべて回収して汚染水として処理しなければならなくなりました。洗浄水をすべて回収して処理するというのは現実的ではないので、実質塗装不可となってしまっています。アスベストは2004年に全面的に使用が禁止されましたが、それ以前のスレートは含まれている可能性があります。事前に調査してアスベスト含有の有無を確認しなければなりません。
今回はアスベストは入っていないことが確認できたので、塗装前の洗浄をすることができました。
まずは屋根塗装の様子をご紹介します。
通常屋根塗装は下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りで仕上げます。スレートの下塗りは水のようにシャブシャブした塗料をスレートが吸い込まなくなるまで2回~3回重ね塗りします。染み込んだ下塗り材が乾いて固まることでスレートを強化します。
スレートは1段で1枚の屋根材です。重なりの部分には隙間があります。この隙間は屋根材の下に入ってしまった水を排出するための隙間です。塗装をすると塗料でこの隙間がふさがってしまう場合があります。それを防ぐためにタスペーサーという小さな部材を1枚につき5個くらい隙間に差し込みます。縁切り工法と言います。下塗りの次にタスペーサーを差し込む公邸に入ります。
次に中塗りの工程です。中塗り、上塗りはトップに来る同じ塗料を使います。今回使用した塗料は関西ペイントのダイナミックルーフです。塗膜に紫外線が当たると塗料の中にラジカルという塗膜を劣化させる成分が発生します。塗料の分子を分解して白い粉上の汚れが浮いてくるチョーキングにつながります。ダイナミックルーフはこのラジカルの発生を抑制して塗膜劣化の進行を遅らせる塗料です。通常のシリコン樹脂塗料よりも長持ちします。
最後に上塗りです。
塗装の3工程、下塗りは屋根材の強化と屋根愛と塗料の密着を高めるための塗装です。中塗りは塗料の持つラジカル抑制や遮熱性、防汚性などの機能を塗るための塗装、上塗りは機能とともに色やツヤを出す塗装です。スレートは割れやすいという欠点がありますが、下地強化して塗装しているのでしばらくは大丈夫かと思います。
次に外壁塗装の様子ですが、先に軒天の塗装を行います。軒天とは屋根の出の裏側のことです。軒天は水分を排出するところなので、透湿性のある塗料を塗ります。今回使用した塗料は関西ペイントのワイドグリップトいう浸透性のある水性塗料です。
外壁も屋根と同様3回塗りで仕上げます。
それぞれの工程の役割も屋根と同じです。まずは下塗りをして外壁と塗料の密着を高めます。今回の外壁材は窯業系サイディングです。窯業系サイディングは昼夜の寒暖差や夏冬の寒暖差で伸縮します。その壁材の動きに追随できる弾力性のある下塗りを使用します。使用した塗料は関西ペイントのRSサーフという弾性のある塗料です。
次に中塗りです。
屋根と同じく塗料の持つ機能を塗装する工程です。
使用した塗料は関西ペイントのRSシルバーグロスSi、屋根と同じくラジカルの発生を抑制するシリコン樹脂塗料です。
最後に上塗りです。
機能と色つやを塗る工程です。今回は一部違う色を塗ってワンポイントアクセントのあるデザインにしました。外壁の色は一度塗ってしまうとやり直しがききません。塗装する前に納得のいく色を選ぶ必要があります。合わせてこのようなデザイン性のある塗装も可能ですので、工事前の色決めの打ち合わせは時間をかけて行わせていただきます。必要があれば施工前の写真に塗装予定の色をのせるイメージ画像をお作りします。それを参考に色をお決めください。
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