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塩尻市広丘｜パナホームのカラーベスト屋根をプライマー2回塗り＋タスペーサーで長持ち塗装

2025年10月12日　更新

こんにちは、街の屋根やさん松本諏訪平店です。
今回は**塩尻市広丘にお住まいのM様邸（パナホーム住宅）**で行った、カラーベスト屋根の塗装工事をご紹介します。

築20年以上経過したパナホームの屋根は、多くが「カラーベスト」と呼ばれるスレート材。
この素材は軽量で丈夫な一方、塗膜が劣化すると防水力が落ちやすく、塗装時に縁切り（タスペーサー施工）を正しく行うことがとても大切です。

今回の工事では、高圧洗浄・プライマー2回塗り・タスペーサー施工・中塗り・上塗りと、すべての工程を丁寧に実施しました。
見た目の美しさだけでなく、“雨漏りを防ぐ機能性”を重視した塗装の流れを、写真付きで詳しくご紹介します。

現状把握と下地づくり――仕上がりは“最初の一歩”で決まる

　　施工前のスレート屋根

施工前のカラーベスト（スレート）屋根の状態です。
色あせ・軽度のチョーキング・苔の付着が見られ、表層の防水機能が低下していました。
塩尻市は寒暖差が大きく、凍結融解の繰り返しで微細なクラックが進みやすい地域。
まずは「どの程度まで既存塗膜が劣化しているか」「素地の健全度」「水の抜け道（重なり部）が活きているか」を確認します。
ここでの診断精度が工程配分と塗料選定を左右します。

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　　高圧洗浄の様子

高圧洗浄で苔・汚れ・脆弱化した旧塗膜を徹底的に除去します。
密着不良の多くは“汚れの上に塗った”ことが原因。
洗浄圧・ノズル角度・距離を調整し、素地を傷めずに不要物だけを落とすのがポイントです。
特に重なり部や端部は堆積しやすく、後工程のプライマー浸透や通気確保にも影響するため念入りに。
乾燥時間も十分に取り、含水状態を安定させてから次工程へ進みます。

密着と防水の基盤――プライマーは「接着＋素地強化」

　　浸透性プライマー1回目塗布

1回目の浸透性プライマーで、目に見えない微細な粉化層まで樹脂を行き渡らせ、素地を固めます。
これにより後工程の中・上塗りが吸い込み過多にならず、塗膜厚を均一に形成できます。
気温・下地温度・湿度を見ながら塗布量を管理し、塗り残しやダレが出ないよう職人がローラー角度を微調整。
寒冷地特有の夜露リスクも考え、作業時間帯と乾燥インターバルを計画的に設定しています。

　　浸透性プライマー2回目塗布

2回目のプライマーで“密着の土台”をさらに強固にします。
1回目で整えた素地の毛細管へ再度樹脂を供給するイメージで、吸い込みムラを抑制。
結果として中塗りの発色・平滑性・耐候性が向上します。
「なぜ2回必要？」とよく聞かれますが、寒暖差の大きい地域では塗膜の伸縮ストレスが高く、下地強化を厚めに積むメリットが明確。
将来の剥離リスクを下げる“見えない品質”です。

縁切りと通気――“水の逃げ道”を塞がない工夫

　　資料画像：開いたスレート屋根葺きと劣化症状

スレート屋根は重なり部から毛細管現象で水が回ることがあります。
資料では、劣化で反りや隙間が不均一になると、水の滞留や凍害が起きやすいことを示しています。
塗装で重なり部まで塗料が入り込み“面一化”すると、排水・通気ルートが塞がる場合があり、かえって雨漏りを誘発します。
塗る前提で「どこに水が抜け、どこが停滞しやすいか」を理解することが、正しい縁切り設計の起点です。

　　資料画像：縁切り工法

縁切り工法は、塗装後にスレート同士を適切に離して排水・通気を確保する基本技術です。
資料にあるように、重なり部が密着すると内部結露や凍結が生じ、塗膜寿命を縮めることも。
タスペーサーはこの“適切な隙間”を安定的に保てる部材で、塗膜が橋渡ししてしまうリスクを軽減します。
道具任せにせず、屋根の勾配・重ね寸法・既存変形の有無を見極めた上で位置や数量を決めるのが職人技です。

　　タスペーサー挿入

黒いタスペーサーを規定ピッチで挿入し、塗装後も水が抜ける“逃げ道”を確保しました。
写真では色が同化して分かりにくいのですが、1枚1枚の状態に合わせて位置調整し、過不足なくセットしています。
入れ過ぎは浮きを、少な過ぎは閉塞を招くためバランスが重要。
これにより、雨天時の滞留水・冬季の凍結膨張・夏季の熱こもりを抑制。
縁切りは“雨漏りしない塗装”の肝です。

保護と美観――塗膜を積層して天候耐性を上げる

　　中塗り（高耐久シリコン樹脂塗料）

中塗りでは高耐久シリコン樹脂塗料を均一に塗布し、色ムラと吸い込みを整えます。
プライマー2回で下地が安定しているため、ローラー走行も滑らか。
膜厚計で所定の厚みを確認しながら、縁・重なり部・板端はハケで先行処理。
塩尻市の強い日射や降雪にも耐えられる下地一体の塗膜を目指します。
乾燥養生を十分に取り、上塗りの密着と艶感が最大化するタイミングを見極めます。

　　上塗り（高耐久シリコン樹脂塗料）

仕上げの上塗りで、耐候性・防汚性・光沢保持性を高めます。
紫外線による樹脂劣化を抑え、色あせをゆるやかに。
降雪時の着雪・滑雪にも配慮し、表面の平滑性を確保しています。
最終チェックでは、塗り重ねムラやピンホール、縁切りの有効性を再点検。
見た目の美しさに加え、雨水が“入りにくく抜けやすい”状態をつくることが目的です。
施工前と比べ、艶と発色が見違える仕上がりになりました。

まとめ

高圧洗浄→プライマー2回→タスペーサー→中塗り→上塗りという“当たり前を丁寧に”積み上げるほど、仕上がりと寿命は伸びます。
逆に、下地省略や縁切り未施工は雨漏りや早期剥離の原因に。
寒冷地の塩尻市では特に、プライマー2回とタスペーサーが要。
迷ったら一度、専門家の無料点検をご利用ください。