🧰外壁の“つなぎ目”こそ家を守る大切なポイント
窯業系サイディングの外壁は、ボード同士の継ぎ目をシーリング材で埋めることで雨水の侵入を防いでいます。
でも、そのシーリングが劣化していたり、そもそも正しい厚みで施工されていなかった場合、外壁全体の防水力が大きく低下してしまうんです。
今回ご紹介する松本市洞のお住まいでも、シーリングが極端に薄く入れられた“手抜き施工”が原因で、開口部や板間の目地に多数の隙間が見つかりました。
外壁塗装を長持ちさせるためにも、まずはシーリングを丁寧にやり直し、さらに紫外線に強い目地カバー工法でしっかり補強していきます。
「シーリングってそんなに大事なの?」という方にも、作業の流れをイメージしながら読んでいただける内容にまとめました。
🔎外壁はきれいでも“継ぎ目”がボロボロ…予想外の劣化が発覚
松本市洞のこちらのお住まいでは、外壁全体の色あせやチョーキングが気になり「そろそろ塗装をしたい」というご相談から現地調査が始まりました。
ところが外壁を詳しく確認すると、板間のシーリング部分に異常が。
本来、シーリングは「適正な厚み」「弾力」「密着性」がなければいけません。
ところが、こちらのシーリングはスポンジ状のバックアップ材を入れた上に、表面を“なぞるだけ”の極薄仕上げ。
さらに、バックアップ材が足りなかったのか、細い木の枝が詰められている箇所まであり、「これは放置できない」と判断しました。
塗装をすれば見た目はきれいになりますが、下地であるシーリングが弱ければ意味がありません。
そこで今回は、古いシーリングをすべて撤去し、新しいシーリング材へ打ち替え。
さらに、紫外線による劣化を抑える“目地カバー工法”も採用して、外壁の耐久性をしっかり底上げする計画となりました。
外壁塗装は、ただ色を塗り替えるだけではありません。
とくに窯業系サイディングの場合、板間の目地シーリングがきちんと機能していなければ、どんなに良い塗料を使っても長持ちしません。
松本市洞のお住まいでは、“前回のシーリング施工の問題点”をしっかり見極めながら、一つずつ丁寧に工程を進めていきました。
写真を見ると一見するとシーリングが入っているように見えますが、指先で触ってみると驚くほど薄く、弾力もほとんど残っていませんでした。
本来のシーリング材は「深さ10mm以上」「適正な幅」「三面接着を防ぐバックアップ材」という条件が揃って初めて本来の耐久性を発揮します。
ところがこちらのお宅では、スポンジ状のバックアップ材をただ押し込み、その上から表面をなぞっただけの薄塗り。
シーリングの厚みが極端に薄いため、紫外線と雨で簡単に切れてしまい、内部まで水がまわってしまう状態でした。
なかにはバックアップ材の代わりに、なんと“小枝”が詰められている箇所もあり、既存施工としてはかなり危険な状態。
正しいシーリングは「厚み」「弾力」「密着性」が命。
まずはこの不良部分をすべて撤去し、ゼロから正しい厚みでやり直すところからスタートします。
シーリングの打ち替えで欠かせないのが、目地の左右に貼るマスキングテープ。
このテープは、はみ出したシーリングが外壁に付かないようにする“ガイドの役目”を担っています。
テープをきれいに貼れるかどうかで、最終的なシーリングのラインがまっすぐ揃い、見た目の美しさが大きく変わります。
地味な作業に見えますが、実は職人の丁寧さが最もわかる大切な工程。
松本市洞のお宅は目地の幅も微妙に違うため、一本ずつ間隔を測りながら丁寧に貼り進めていきました。
このテープがあることで、シーリングがはみ出しても問題なし。
最後にスッと剥がせば、気持ちいいほどまっすぐなラインが残ります。
細かい準備ですが、これが美しく長持ちする外壁の第一歩なんです。
次に行うのが、目地の中にプライマーと呼ばれる下塗り材を塗る作業です。
プライマーは、シーリング材と外壁(サイディング)を強く密着させるための接着剤のような存在。
これを省略すると、シーリングが早期に剥がれたり、端から浮いてきたりと、トラブルの原因になってしまいます。
古いシーリングをきれいに撤去し、粉じんを落としてから丁寧に塗り込みます。
松本市洞の外壁は日当たりの良い面が多く、紫外線ダメージが強かったため、プライマーをしっかり染み込ませることで密着性を最大限に引き上げました。
“ちょっとの手抜きが大きな劣化に繋がる”のがシーリング。
だからこそ、このプライマーは欠かせない工程なのです。
今回使用したのは、オート化学工業の「オートンイクシード」。
これは一般的なシーリング材よりも圧倒的に寿命が長く、メーカーによる耐久試験でも20年以上の耐候性が確認されているプレミアム品です。
特徴は、独自の“LSポリマー”という成分による高い弾性。
温度変化や地震などで外壁が動いても、シーリングが切れにくく、長期間柔らかさを保ちます。
松本市のように昼夜の寒暖差が大きい地域には、特に向いている材料です。
目地の奥まで材料をしっかり押し込み、適正な厚みを確保しながら均一に仕上げます。
この「厚み」が、シーリングの寿命を何年も左右する重要ポイント。
前回の施工では“薄くなぞるだけ”でしたが、今回は正しい厚みを持たせることで、外壁本来の防水性を取り戻します。
シーリングを均した後は、固まる前にマスキングテープを剥がします。
この瞬間が職人としても少しワクワクする工程で、スッと剥がすと、左右が一直線にそろった美しいシーリングラインが現れます。
ムダなはみ出しがないため、見た目が美しいだけでなく、外壁塗装をしても仕上がりにムラが出ません。
丁寧なマスキングと正確な厚みがあってこそ、気持ちいいほど整った仕上がりになります。
細部こそ品質を左右する部分です。
今回の工事では、シーリング打ち替え後に“目地カバー工法”も採用しました。
これはガルバリウム鋼板でできた細長いカバー材を、目地の上にかぶせて保護する方法です。
最大のメリットは、紫外線でシーリングが痩せたり切れたりするのを防げること。
シーリングはどうしても太陽光に弱いため、一般的には10年前後で劣化が始まります。
ですが目地カバーをつけると、シーリングの寿命が大幅に延びるんです。
外壁の色に合わせて塗装できるため、最後に仕上がると目立ちにくく、デザイン性も損なわないのが嬉しいポイント。
外壁を長く守る“ひと手間”として、とても有効な工法です。
お施主様が長年悩まれていたのが、玄関上の入隅スペースに毎年巣をつくる鳥の被害。
ご自身で布製ネットを張って対応されていましたが、幅が1.8mと広く、どうしても見た目が悪くなってしまうとのことでした。
そこで、幅2mの樹脂製防鳥ネットを探し、外壁の色や雰囲気に合うものを取り付け。
軽量で丈夫な素材のため、外観に馴染みつつしっかりと鳥の侵入を防げるようになりました。
“暮らしのお悩み”にも柔軟に対応できるのが地域密着店の強みです。


最後に外壁塗装を行い、建物全体が一気に明るく生まれ変わりました。
使用したのは、関西ペイントの高耐久シリーズ「RSシルバーグロスSi」。
この塗料は耐候性・防カビ性・低汚染性に優れ、10年後の色あせの差がはっきりと出るグレードです。
さらに、玄関まわりにはアクセントとなる濃い色を配色し、立体感と高級感が一段とアップ。
シーリング・目地カバー・塗装の三連構成で、外壁全体が“守れる家”へと変わりました。
今回の松本市洞のお住まいでは、外壁塗装よりも先に“シーリングの状態”が気がかりでした。
シーリングは外壁材のつなぎ目を守る大切な防水パーツ。
しかし、前回の施工が薄塗りだったため、目地のあちこちに隙間が生まれ、紫外線と雨に負けてしまっていました。
そこで、古いシーリングを全撤去し、オートンイクシードによる正しい厚みの打ち替え。
さらに、日差しに強いガルバリウム製の“目地カバー工法”で保護することで、外壁の耐久性が大きく向上しました。
外壁塗装は“上から色を塗るだけ”ではなく、
・下地
・シーリング
・保護工法
これらの組み合わせで、何年後の劣化スピードさえ変わります。
今回の工事が、松本市で外壁のひび割れや目地の劣化に悩む方の参考になれば嬉しいです。
「外壁の色あせが気になり始めて相談したのですが、点検してみたら“シーリングの施工不良”が見つかり、驚きました。
前の業者さんに頼んだ時は特に説明もなく、薄くなぞるように打っていたようで…あらためてプロの方に見てもらう大切さを感じました。
職人さんは毎日細かく作業工程を教えてくれて、とても安心できました。
玄関上の鳥の巣の相談にも対応していただき、あれほど悩んでいたのに今はスッキリ!
外壁の色もアクセントが効いていて、帰宅するたびに気分が上がります。
丁寧に工事していただき、本当にありがとうございました。」
「A様、この度はご依頼ありがとうございました。
現場調査の時点で、シーリングの中に“小枝が詰められている”箇所を見つけた時は、正直驚きました。
目地は雨の侵入を最も受けやすい場所ですので、今回は特に下地の状態を慎重に確認しながら作業を進めました。
オートンイクシードは高耐久のシーリング材で、松本市のように夏の日差しが強く、冬は寒暖差が大きい地域と非常に相性の良い材料です。
打ち替え後に目地カバー工法を加えることで、“シーリングが太陽に焼かれない”状態をつくれたのも大きなポイントでした。
玄関上の鳥害対策も喜んでいただき、職人一同とても嬉しく思っております。
これからも定期点検などを通じて、A様の大切なお住まいを見守ってまいります。」
🌲松本市洞の自然環境と外壁メンテナンスの関係
松本市洞(ほら)は、市街地から少し離れた静かな山間の地域。
森に囲まれた環境で、日当たり・風通し・湿気の溜まり方などが同じ松本市内でも少し特徴的です。
◆紫外線が強い南面
標高が高いため日差しが強く、シーリングの劣化が早まりやすい傾向があります。
オートンイクシードや目地カバー工法のような“紫外線対策”がとても有効です。
◆北面は湿気がこもりやすい
森が近いので、日中でも外壁が乾きにくいケースがあります。
防カビ性能の高い塗料や、表面が汚れにくい塗膜が安心材料になります。
◆鳥や小動物が多い地域
今回もあったように、玄関上や出隅・入隅に巣が作られてしまう被害が出やすい地域です。
防鳥ネットやメッシュガードなど、外観を損なわない対策を合わせて行うと効果的です。
静かな自然に囲まれた洞エリアだからこそ、
“環境に合わせたメンテナンス”を選ぶことが、お住まいを長く守るポイントになります。
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