2024.06.09
松本市で1年前に離れの屋根で、ずれていた瓦を接着剤で止めたり、割れていた平瓦を入れ替える等の瓦補修工事を行いました。今回はその1年点検で伺いました。1年前に補修したところは特に問題なく止まっていましたが、前回は工事しなかった母屋の大屋根の瓦も点検してほしいということで母屋の屋根に…
「天井に雨染みが…」「雨の日にポタポタ音がする」――そんな症状に気づいたとき、
屋根全体の劣化よりも、実は棟瓦(むねがわら)のズレが原因になっていることがあります。
今回ご紹介するのは、塩尻市の住宅で発生した雨漏り修繕工事。
天井裏の雨染みをきっかけに現地調査を行い、棟瓦のズレと下地の劣化を確認。
屋根全体の葺き替えではなく、棟部の積み直しだけで雨漏りを完全解消しました。
この記事では、調査の様子・原因の特定・職人の補修手順を、写真付きで詳しくご紹介します。
「うちも似た状況かも…」と思った方は、ぜひ最後までお読みください。
最初の手がかりは、リビングの天井に広がるうっすらとしたシミ。
最初は小さな点でしたが、数か月のうちに輪郭が濃くなり、雨の日にはシミの範囲が拡大していました。
お客様のご不安も強く、「このまま放っておいたら天井が抜けるのでは…」とのご相談を受けて現地調査を実施。
天井の一部を剥がして内部を覗くと、断熱材の裏側がしっとりと濡れており、明らかに雨水が侵入していました。
木下地の梁には黒ずんだ跡があり、長期間にわたって水が滴っていた形跡も。
まずは雨水がどこから入り、どの経路でここに達しているのかを特定するため、さらに上部の構造を追いました。
天井裏をさらに奥まで確認すると、屋根のすぐ裏側にある野地板に、
手のひら大の茶色い雨染みがくっきりと残っていました。
特に棟に近い部分の染みが濃く、雨水が上部から染み出してきているのが分かります。
また、染みのまわりの木材はわずかに腐食が進み、カビ臭も漂っていました。
これは、単なる「結露」や「湿気」ではなく、屋根の上から実際に雨が侵入しているサイン。
屋根の棟部分の真下に位置していたため、
「棟瓦のズレや下地の劣化が主な原因」と判断しました。
屋根の上に上がると、全体の構造は谷と棟が交差する複雑な形状でした。
谷部分は雨水が集まりやすく、棟の重なりや納まりも複数箇所に分かれており、
排水経路が複雑なため、一箇所でもズレがあると雨水が内部に入りやすい構造でした。
特に棟瓦の頂部を確認すると、瓦が少し持ち上がって隙間ができており、
指で押すとわずかに動くほど下地の土が痩せていました。
また、棟の一部では漆喰が剥がれ、雨水が直接入り込める状態。
これらの状況から、棟瓦の積み直しによる補修が最適解と判断しました。
この屋根は、古くから使われている**「土葺き(つちぶき)」工法**でした。
瓦を固定するための粘土質の土が、長年の雨風や凍結によって乾燥・崩れ、
瓦の下に空洞ができていました。
その隙間を伝って雨水が入り、棟下の木部や野地板を濡らしていたのです。
特に棟部分は、屋根の中でも最も雨風を受けやすい場所。
経年で漆喰が剥がれ、土が流出すれば、雨漏りは避けられません。
今回のようなケースでは、棟部を一度解体して積み直すことで、
下地の強化と防水性能の回復が可能です。
工事内容:棟瓦積み直し(部分修繕)
費用目安:1mあたり約1~2万円前後
工期:1〜2日
屋根全体の葺き替えに比べ、低コスト・短工期で雨漏りを止められます。
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