屋根材にアスベストが入っているかどうかの見分け方と対処方法
2021年4月1日からアスベスト障害予防規制が改正され、アスベストの健康被害に対して今まで以上に厳しくなります。最近では珪藻土のバスマットにアスベストが含まれていたというニュースもありました。アスベストの使用が禁止されて10数年、改めてアスベストについてお話したいと思います。
★アスベスト(石綿)とは鉱石が線維状に変化した鉱物の総称です。繊維の太さは髪の毛の5000分の1ほどといわれています。元々は鉱石なので無機物です。無機物は対候性、不燃性に優れているので、繊維状に変化したアスベストは加工のしやすさから、屋根材のスレートや外壁材の窯業系サイディングなどセメント系の建材の混合材として使われてきました。
★アスベストの健康被害
非常に細い繊維であるアスベストは、一度肺に吸い込まれると排出すことができません。肺に吸い込まれたアスベストは肺がんや肺脾腫といった悪性腫瘍の原因になるとされています。そのため日本では2012年に完全に生産使用が禁止されています。
1975年 | アスベストの吹き付け禁止 |
1985年 | 水道用石綿セメント管生産禁止 |
1989年 | 大気汚染防止法改正で石綿が対象に |
1991年 | 廃棄物処理法改正 飛散性石綿含有廃棄物を特別管理 |
2004年 | 石綿1%以上を含む製品の出荷が原則禁止 |
2006年 | 石綿0.1%以上を含む製品の出荷が原則禁止 事実上の全面廃止 |
2012年 | 石綿完全廃止 |
屋根材に特化してお話します。上の写真はノンアスベストの屋根材として有名なニチハの「パミール」という屋根材です。ノンアスベストの屋根材として1996年に販売が開始されました。写真のお家は2002年に建てられました。20年弱でこのような状態なので、もっと前に不具合が発生していたと予想されます。今では開発も進んで強度も確保できていると思いますが、アスベストが禁止される前後の建材は、アスベスト入りのものよりも強度が落ちます。アスベストを禁止して健康上の問題は軽減されましたが、建材の強度は劣ってしまいました。
お手元に建築図面があり、そこに屋根材として何が使われていて、商品名までか分かれば、そこから調べることはできます。ただしスレートとしか書いていない場合も多いので確実ではありません。また、図面に記載されている商品名=実際に使われている屋根材とも言い切れないところがあります。事実上廃止された2006年を境にそれ以前はアスベストが入っていて、それ以後は入っていないという判断も少々乱暴です。前にも述べたように1996年にノンアスベストの屋根材が販売されているという実績もあります。スレートの寿命は20年から30年と言われています。ご自分のお宅の屋根がスレートで築15年ほど経っていいて、見える範囲で屋根が割れていたりかけていたりしたら、多分ノンアスベスト、割れていなければアスベストが入っている可能性が高いという判断がいいと思います。
もしご自宅の屋根材にアスベストが入っている可能性が高いとわかっても、ご安心ください。アスベストが飛散しなければ健康上は問題ありません。割れたりしなければ問題ないのですが、アスベストが入っていれば頑強なので簡単に壊れる可能性も低いです(あくまでも可能性です)ただ、スレートの寿命は20年から30年です。そのタイミングではリフォームをお勧めします。方法としては葺き替えかカバー工法なのですが、葺き替えは今の屋根材を撤去して新しい屋根材に葺き替える工事です。ただ、撤去、廃棄に高額な値段がかかります。廃棄だけで1㎡あたり3000円~4000円かかります。100㎡のやねなら30万~40万円かかる計算です。あまり現実的ではないので、カバー工法をお勧めします。アスベストは残りますが、飛散しなければ大丈夫なので上から新しい屋根材をかぶせて封じ込めてしまう工法です。
アスベストが心配という方はぜひ街の屋根やさん松本諏訪平店までご相談ください。
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